外断熱と内断熱

外断熱と内断熱

外断熱と充填断熱について

日本には様々な住宅メーカーがあり、様々な住宅が存在します。
その中で、木造住宅の断熱方法は「外断熱」と「充填断熱」と言う大きく分けて2つの工法があります。
どちらも目的は同じで、夏は涼しく冬は暖かい快適な住宅を提供する為になくてはならないものです。

 

何が違うの?と言う質問があるかと思いますが、ざっくりとしたイメージは下記の通りとなります。

 

外断熱工法:家の中をすっぽり断熱材で覆ってしまう工法
充填熱工法:柱と柱の間に断熱材を入れて断熱する工法

 

絵を書いてみると下記みたいな感じですね。

 

 

※私が島野工務店で建てた外断熱工法の絵を参考にしていますので、メーカーによってはやり方は様々です。

 

もちろんお互いにメリットデメリットがあり、必ず外断熱でなければいけない、充填断熱でなければいけないと言ったことはありません。
住宅に何を求めるかによって、どちらの工法を採用するかを選択するべきかと思います。

 

それでは、外断熱と充填断熱について、メリットデメリットを含めて考えていきたいと思います。


目次

外断熱のメリット

外断熱工法のメリットは何といっても断熱性能が非常に高いといった点です。
家の柱含め、断熱材ですっぽりと覆ってしまう工法が外断熱です。

 

外断熱のメリット
1、断熱性能と気密性能が非常に高い
2、断熱性能が高いため電気代を抑える事ができる。

 

その為、気密性を極限まで高めることができ、家自体を魔法瓶のようにすることができます。
そうすると、夏は涼しく冬は暖かくを実現することができ、

外断熱のデメリット

外断熱工法の最大のデメリットは、費用が非常に高いといった点です。
もちろん、電気代を抑えることができるのでランニング費用は抑えられますがイニシャル費用が非常に高いと言ったことが懸念点です。

 

なぜ価格が高くなってしまうのか。その理由は、

 

1:家全体を覆う断熱材を用意しなければいけない
2:外に出っ張った断熱材を受け止めるために、基礎の幅を広げなければいけない。

 

が上げられます。

 

1番の断熱材を用意しなければいけないといった点については、柱と柱の間を断熱すればいい充填断熱に比べ、家全体を覆う外断熱はそれだけ部材の価格が上がってしまします。

 

2番の基礎の幅については、T〇ホームが150㎜に比べ島野工務店は280㎜の基礎を用意しなければいけなく非常に価格が高騰します。
基礎は住宅価格に占める割合が大きいです。
新築住宅全体の工事費用の約5~10%を基礎工事が占めると言う話があるくらい、基礎工事の割合は全体の中で高くなります。
特に島野工務店はT〇ホームと比べ1.86倍の基礎厚を確保しなければいけなく、イニシャル費用が高くなってしまう事は間違いありません。

充填断熱のメリット

充填断熱は、外断熱と比べ木造住宅で一般的に採用されている断熱方法です。
外断熱では実現できないメリットがあるため、ここではそのメリットについて説明をしていきます。

 

充填断熱のメリット
1、価格を外断熱と比べて抑えられる
2、外断熱と比べてスペースを確保できる

 

充填断熱で多く使用されているグラスウールは、どこのメーカーでも使用している汎用性の高い断熱材です。
それだけに施工実績や販売次席も非常に多く、資材面や施工面でもコストを下げることができます。

 

また、以外かもしれませんが断熱性能も非常に高いです。
高気密高断熱で有名な高級住宅メーカー、スウ〇ーデンハウスも充填断熱工法を取り入れています。
充填断熱工法でも十分な断熱性能を確保できますし、正しい施工方法で施工した場合、十分な断熱性能は確保できます。

 

※知人がスウ〇ーデンハウスで家を建てまして、冬は半そで半ズボンで過ごしたと話していました。
 需要があれば、インタビュー記事を起こします。

 

スペースについては、外断熱は基礎厚を大きくして建物サイズを大きくして施工する事に対し、充填断熱は柱と柱の間に断熱材を入れることができるので建物サイズを大きくする必要がありません。
それによりコスト削減ができ、家を建てた後の生活に余裕を持たせることができます。

充填断熱のデメリット

充填断熱のデメリットは、外断熱と比べて断熱性を確保しづらいといった点です。
家の中を魔法瓶のようにすっぽり覆ってしまう外断熱に比べ、どうしても柱と柱の間に断熱材を入れていく充填断熱には限界があります。

 

充填断熱は柱と柱の間に断熱材を入れる工法ですが、柱自体を断熱することはできません。
木は鉄よりも約400倍熱を伝えにくいと言われていますが、熱伝導率で比較すると一般的な杉で0.12W/mKに対し、グラスウール16Kは0.045W/mKです。
木材はグラスウールと比べて2倍以上断熱性のが悪いという事がわかります。

 

つまり、木材が熱橋(ヒートブリッジ)になり、家の断熱性能を落としてしまうのです。
ヒートブリッジは住宅をむしばむ結露を引き起こし、冷暖房器具の省エネ運転を阻害し電気代を押し上げます。

 

ここで注意して頂きたいのは、柱は断熱材ではないという事です。
私の古巣もそうですが、様々なメーカーは木材の熱伝導率について説明をしていません。
展示場に行ったら、もしかしたら鉄骨との比較のお話はされるかもしれませんがヒートブリッジについて説明してくれるメーカーがどれだけあるでしょうか。

 

少なくとも、私は家を建てるに当たって様々なメーカーに行きましたが一度もその説明を受けたことはありませんでした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
外断熱のメリットやデメリット、充填断熱のメリットやデメリットを解説させて頂きました。
いろんな人がいるように、いろんな家を建てる工法があります。
外断熱と充填断熱、もちろんどちらが正解という訳ではありません。

 

自分に最も適したやり方が正解なのだと思います。

 

私は今までのメリットやデメリットを総合して考え、家族の為に島野工務店の外断熱を最終的に選びました。
これが私にとっての解であり正解だと信じています。

 

ですが、これは私個人の回答です。
これから家を建てようと思う人にアドバイスですが、いろんなメーカーがありいろんな工法で家を建てます。
決して後悔のないよう、いろんなメーカーに訪れていろんな勉強をしてください。

 

そして、このブログがこれから家を建てる人の少しでも力になることができたのなら、これ以上の喜びはありません。